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【あらすじ】ピンクのゾウが宙を舞う!? 感動の名作アニメ作品『ダンボ』は実は実験作品だった!

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1941年に公開された『ダンボ』はディズニーのオリジナル作品で、ゾウの親子の愛の温かみが胸いっぱいに広がる素敵な物語です。

愛らしいダンボの表情やしぐさは、観る人の心をつかんで離さない独特の魅力があると言われています。

また2019年にはティム・バートン監督による実写映画が公開。リアルなダンボが人を乗せて宙を舞う姿が話題になりました。

スクリーンデビューから70年以上経ってもダンボは皆に愛される存在であり、人気はさらに高まっています。

本記事ではダンボのあらすじと、実験作品とも呼ばれていた映画についてまとめました。

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『ダンボ』のあらすじ

サーカス団で芸をして暮らしているゾウのジャンボは、コウノトリが自分のところへ赤ちゃんを運んできてくれるのを待ちわびていました。周りの動物たちには次々と赤ちゃんが届けられているの、いくら待っても自分のところには届きません。

サーカス列車で移動中のジャンボのところへ、道に迷って遅くなったコウノトリがようやく届けた赤ちゃんは、青いつぶらな瞳を持った、とびきりかわいい子ゾウでした。でもその姿を見た他のゾウたちはびっくり仰天。その子ゾウの耳は、体全体を包み隠せるくらいに大きかったのです。ジャンボはジャンボジュニアという名前に決めていましたが、周りのゾウたちから「ダンボ」と命名されてしまいました。

他のゾウたちはダンボの耳を気味悪がったり馬鹿にしたりしていましたが、ジャンボには耳の大きさなど関係ありません。ジャンボにとってダンボは、かけがえのない大切な子どもでした。

ところがある日事件が起こります。サーカスを見に来ていた男の子たちがダンボの耳をからかって引っ張ったりしたので、ジャンボは怒ってその男の子のお尻を叩いたのです。サーカスの団長たちが慌てて止めに入ったのですが、ジャンボは興奮してしまい、暴れて団長を投げ飛ばし、サーカス小屋をめちゃくちゃにしてしまいました。

その夜、テントのすみでダンボは一人ぼっちでいました。他のゾウたちは集まって話をしています。

「ジャンボはお仕置き小屋に入れられたらしいわ」
「気の毒に。彼女のせいだけじゃないのに・・・」
「もともとはあの子が悪いんだわ!」
「これからは知らないふりをしましょう」

ダンボはいたたまれなくなり、一人で表に出ていきます。

その一部始終を見聞きしていたネズミのティモシーは、ダンボをいじめるゾウたちを思いっきり脅かして怖がらせ、お灸をすえるのでした。

ティモシーはその日からダンボの友達になり、世話を焼いたり元気づけたり・・・。

そんなダンボにもショーにデビューする日がやって来ました。ところが、せっかくの初舞台で大きい耳が邪魔をして大失敗をしてしまい、ショーはめちゃめちゃに。そして小屋を壊したばかりか、他のゾウたちにも怪我をさせてしまいました。ゾウのショーでは使い物にならないと見切りをつけられたダンボは、なんとピエロの役にされてしまいます。 「誇り高いゾウがピエロだなんて。もうゾウとは認めない」と、他のゾウたちは完全にダンボを見放します。

大切な子どもを守ろうとしただけでお仕置き小屋に閉じ込められ、鉄の足かせをつけられてしまったジャンボ。右も左もわからない赤ちゃん同様のダンボは、お母さんから離され、仲間のゾウからも見放されて、一人ぼっちになってしまいます。そんなダンボに、さらに追い打ちが・・・。

顔を白く塗られて、高い塔のてっぺんから飛び降りさせられるダンボ。下の白泥のたらいに飛び込んで真っ白に・・・。観客たちは大笑いで、気を良くしたサーカス団員たちは、うけを狙って塔をもっと高くしようと言い出す始末。ダンボはすっかり笑い者です。

夜になってティモシーに体を洗ってもらいながら、ダンボは悲しくて涙が止まりません。そんなダンボを見かねて、ティモシーはお仕置き小屋までダンボを案内し、ジャンボに会わせてあげるのでした。

ジャンボと別れたあと、トボトボと元気なく歩くダンボに、ティモシーは「水を飲んだら元気になる」と水桶に連れていきます。ところがその水桶にはお酒が混ざっていたため、ダンボもティモシーもすっかり酔っぱらってしまいます。ダンボたちの目の前にはピンクのゾウがたくさん現れ、ダンスをしたり行進をしたり・・・。

翌朝ティモシーが目覚めると、カラスたちがはやし立てていました。ダンボとティモシーはどういうわけか高い木の上で寝ていたのです。どうやって木に登ったのか全く覚えていないティモシー。カラスたちは「空でも飛んだんじゃないのか」とからかいます。

その言葉にピンときたティモシー。「そうだ、ダンボは空を飛んだんだ。君の大きな耳は翼になるんだよ」

そんなはずはないと嘲り大笑いするカラスたちに向かって、ティモシーの大演説が始まります。「かわいそうな子ぞうをいじめて恥ずかしくないのか。まだ赤ちゃんなのにママに甘えることもできず、一人ぼっちなんだ。」

ティモシーの言葉に心を動かされたカラスたちは、ティモシーに協力することに。ダンボに”魔法の羽根”と称してお尻の羽根を一本渡して、これさえあれば空を飛べるぞ、と勇気づけます。 魔法の羽根を鼻先にくわえたダンボは、ティモシーに言われるままに、崖のてっぺんで懸命に耳をバタつかせました。あたり一杯に土ぼこりを巻き上げ・・・そして気づいた時にはなんと、大空を飛んでいたのです。

「まるでワシみたいだ」「飛行機よりすごいぞ」と、一緒に飛びながらカラスたちも祝福します。

物語の中で、ダンボはひたすらかわいそうな目に遭い続けます。ホロリとさせられる場面は多いですが、中でもお仕置き小屋に閉じ込められたジャンボが鉄格子の付いた窓から鼻だけを出して、ダンボをやさしく抱き上げるシーンは、涙なしには観られません。

そんなダンボがついに陽の目を見る瞬間がやってきます。

前よりもずっと高くなった塔から飛び降りさせられるピエロのダンボ。でも今度はティモシーは一緒です。そしてダンボの鼻先には魔法の羽根が握られています。

ところが、落ちていく間にダンボの鼻から魔法の羽根がするりと抜けて行ってしまいます。慌てるダンボに向かって、ティモシーが懸命に叫びます。「魔法の羽根は嘘なんだ。君は飛べるんだよ、ダンボ!」

そしてダンボは地面すれすれのところで見事に急旋回。サーカステントの中を自由自在に飛び回り、急降下や急上昇をして見せます。観客たちからは大歓声が挙がりました。

ダンボはたちまち大スターに。新聞にニュースに引っ張りだこで、両耳には100万ドルの保険が掛けられました。そしてティモシーはダンボのマネージャーになり、ハリウッドとの契約も結びました。

すっかり人気者になったダンボ。サーカスの移動列車の一番うしろにはダンボのプライベート車両がつくられ、そこにはお仕置き小屋から解放されたジャンボも乗っています。お母さんに甘えられて幸せいっぱいのダンボを乗せたサーカス列車は、カラスたちに見送られながら、次なる街へ向かって走っていくのでした。

1時間ほどの映画ですが、ダンボが空を飛ぶのは最後の4分からという「美味しいものは後で」的なつくり。終了4分前まではハッピーエンドが待っているなんて全く思えないほどです。

全編を通じてセリフが全くないダンボですが、その愛らしい表情としぐさ、そしてつぶらな瞳が言葉以上に語り掛けてきます。最後まで目が離せません。

アトラクション「空飛ぶダンボ」

東京ディズニーランドには旋回型のアトラクション「空飛ぶダンボ」があります。ゲストはライドに乗って旋回する際、レバー操作で高さを上下させることができるので、映画のダンボさながらの急上昇や急降下を楽しむことができます。

アトラクション前にはダンボに乗れるフォトスポットも用意されており、とても人気です。カラスからもらった魔法の羽根を鼻でくわえているダンボです。

本国アメリカでこのアトラクションが初めてつくられる際、スタッフは映画に登場するピンクのゾウを回転させる予定でした。これにはウォルトが反対したため、グレーに塗り直したという経緯があると言われています。スタッフはピンクのゾウがかなりお気に入りだったのでしょうか。

『ダンボ』が伝えるメッセージ

耳が大きいということだけで怪物扱いをするゾウたちからダンボをかばい、「思い切り遊びなさい、ほかの人の言葉は気にしないで」と優しく歌うジャンボの姿に誰もが心を打たれたこの作品。子どもにも大人にも感動を与えてくれる珠玉の名作です。特に大人になってから観直してみると、そのメッセージ性やディズニーの挑戦心に気づくのではないでしょうか。

『ダンボ』には差別や偏見に対する風刺が込められています。他の人と異なる特徴を持って生まれたために仲間から阻害され、虐げられる主人公の姿は、そのまま人間社会の抱えている問題を投影しているとも言えます。ディズニーはこの物語を、ただ感動し涙するだけの作品ではない、メッセージの意味を持った作品に仕上げたかったのだと考えられます。

また、ダンボとティモシーが酔っ払った時に見る「ピンクのゾウの行進」のシーンは、ディズニーアニメとしては非常に珍しい「アルコールや麻薬による幻覚症状」を表現している映像として話題になりました。子ども向けの作品に投入するという大胆な試みは、ディズニーの冒険心の表れとも考えられますが、観る子どもによっては怖がる子もあり、賛否は両論でした。

一般にアメリカでは「ピンクのゾウが見える」というと特別な意味があるのは周知の事実。子ども向けのアニメになぜこれを取り入れたのか、その真意はいまだに不明です。

何かの実験だったのかもしれませんね。


お子さんと観るのにも絶対おすすめの名作アニメ『ダンボ』。70年以上前に作られたとは思えない、いつ観ても変わらない感動と涙のストーリーは、観た人を優しい気持ちにさせてくれます。

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