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【あらすじ】映画『ポカホンタス』のあらすじと史実/ディズニー初の実在人物を扱ったアニメ

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数あるディズニー作品の中で初めて実在人物をヒロインにしたのが、1995年制作のアニメ映画『ポカホンタス』。インディアン酋長の娘ポカホンタスと、イギリス人冒険家ジョン・スミスとの悲恋を描いたロマン作品です。

ディズニーアニメ作品の第1次黄金期の真っ只中につくられた作品ながら、あまり目立つことがない『ポカホンタス』。そのあらすじと史実との違いについてまとめました。

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アニメ映画『ポカホンタス』のあらすじ

『ポカホンタス』のあらすじを簡単に紹介すると・・・。

インディアンのポウハタン族の娘、ポカホンタス。賢くて好奇心旺盛な彼女は、自然を愛し、森の木々とも話ができる。お供はアライグマのミーコとハチドリのフリット。
村の英雄ココアムからプロポーズされ、酋長である父からも結婚を勧められたが、人生を縛られる気がして乗り気でない。

そんなある日、探検家で英雄のジョン・ラトクリフが率いるイギリス人たちが金を掘るために船でやってくる。その中の1人、冒険家のジョン・スミスと運命の出会いを果たすポカホンタス。
言葉が通じないのに心が通じた2人は一瞬にして恋に落ち、逢瀬を重ね、理解を深め合う。

しかしその現場を見てしまったココアムがスミスを襲う。さらにその現場をたまたま目撃したイギリス人青年のトーマスがココアムを銃で撃つ。
この事件が引き金となり、イギリス人たちとインディアンたちの争いが勃発。ポカホンタスとスミスは争いを止めるために奔走するも、金鉱と土地を手に入れたいイギリス人と先住民族の戦いは激化する一方・・・。
戦いの最中、酋長はジョン・スミスを殺そうとするが、彼を身を呈して守るポカホンタスの心の内を知り、武器を下ろす。

戦いが治まったかに見えたその時、ラトクリフが酋長を撃つ。彼をかばって撃たれ、重傷を負ったのはジョン・スミスだった・・・。
ジョン・スミスの怪我は帰国しなければ治療できない。ポカホンタスは彼とともにイギリスへ渡るか、愛する人と別れてこの地に残るかを選択しなければならなくなり・・・。

ディズニー作品の中でも唯一と言われている結末を迎えるプリンセス、ポカホンタス。感動のラストは涙なしには見られません。

ディズニーの自信作ではあるけれど

ディズニーアニメには第1次黄金期というのがあります。一般的に1989年の『リトルマーメイド』から1999年の『ターザン』あたりまでを指します。

  • 『リトル・マーメイド』(1989)
  • 『ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!』(1990)
  • 『美女と野獣』(1991)
  • 『アラジン』(1992)
  • 『ライオン・キング』(1994)
  • 『ポカホンタス 』(1995)
  • 『ノートルダムの鐘』(1996)
  • 『ヘラクレス』(1997)
  • 『ムーラン』(1998)
  • 『ターザン』(1999)

確かに蒼々たる顔ぶれ。今でも名作として愛されている作品ばかりです。

『ポカホンタス』はディズニーが乗りに乗っている時に制作された自信作でした。作品としては素晴らしい仕上がりで、アラン・メンケン作曲の音楽はアカデミー作曲賞を、また主題歌となった「Colors of the Wind」はアカデミー歌曲賞を受賞するなど、数々の賞を受賞し、高い評価を受けました。

でも名作アニメ『ポカホンタス』があまり表舞台に出てこないのは、残念ながら公開当初から多くの批判に晒されてきたからです。

史実との違いによる批判

『ポカホンタス』をフィクション作品として観れば、メッセージ性のある素敵な作品です。しかしいくつかの点で”史実とかけ離れている”という指摘を受けており、インディアンおよび先住民問題に関わる非インディアンの個人や団体から批判・クレームが出されました。

史実と違うという指摘があった点には次のようなものがあります。

インディアンの酋長は刑罰を与えない

ポカホンタスの逸話は、実在する冒険家ジョン・スミスによって広められました。

ポウハタン族の村に連行されたジョン・スミスはポウハタン酋長の命により百叩きの刑で殺されるところでしたが、酋長の娘であるポカホンタスが助けるよう懇願したおかげで命拾いをしました。

しかし史実によれば、当時ポウハタン族とは和平関係にありました。またインディアン社会に処刑を命じるような権力を持つものは存在しない、ということが明らかになっています。

ポカホンタスとジョン・スミスが接点を持っていたのは事実でも、彼の数々の逸話の多くはフィクションだと言われています。

ポカホンタスとジョン・スミスの恋愛はありえない

実在のジョン・スミスはポカホンタスと出会い、命を救われたという話を、17年ほど経ってから初めて発表しました。その時にはすでにマトアカは亡くなっていました。

ポカホンタスがジョン・スミスと出会った当時の年齢は10~11歳で、アニメ作品の年齢設定とはかなり違います。

同年齢くらいであればロマンスがあったかもしれませんが、植民地の監督官として赴任したジョン・スミスはすでに中年の域に入っていたため難しいかもしれません。

”サベジス”の連呼が侮辱的

『ポカホンタス』の音楽は数々の賞に輝きましたが、挿入歌の一曲に「サベジス」という歌があり、戦いのシーンなどに”サベジス”が連呼されます。

これは直訳すると”野蛮人”の意。物語の中でインディアンを”野蛮人”扱いしているのは事実の歪曲だという抗議の声が関係団体から挙がっています。

また、劇中の”汚らわしい異教徒”などの台詞も批判の対象となりました。

ポカホンタスの実像

”ネイティブアメリカンの姫”と呼ばれ、大英帝国へ渡りジェームズ1世に謁見までした国際的有名人のポカホンタス。実際にはあまり幸せとは言えない生涯でした。

白人による入植を推し進めるために人質にされた経緯があり、キリスト教に改宗された上に通訳をさせるために英語を学ばされました。

また、ヴァージニアにタバコ会社を設立した白人のジョン・ロルフと結婚したのも、インディアンと白人との和平の意味合いが強かったと言われています。

ロルフとともに大英帝国に渡ったポカホンタスは、アメリカに戻る船旅の途中で病気にかかり、23歳で亡くなっています。

ポカホンタスの墓は聖ジョージ教会にありましたが、教会の改装の折りに取り壊されてしまいました。現在は教会前に銅像が設置されています。

おわりに

以上、ディズニーアニメ『ポカホンタス』のあらすじと、史実との違いについてのまとめでした。

『ポカホンタス』は自然を愛し自然と共に生きる魅力的なヒロインを誕生させた素晴らしい作品です。だからこそ、史実との違いや物語の背景についてできるだけ正しく理解した上で鑑賞することが重要です。

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