イタリアの作家・カルロ・コッローディによって1881年に誕生したとされる『ピノキオ』は、1940年に公開されたディズニーアニメの大ヒットにより世界的な人気キャラクターとなりました。
以降、ピノキオをモチーフにした映画やドラマ、スピンオフ作品、二次創作作品は数多く制作されており、物語の解釈もさまざまです。主な作品を紹介していきます。
目次
『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(2022)
世界中にファンを持つカルト級の映画『パンズ・ラビリンス』を生み出したギレルモ・デル・トロ監督の、とても個性的な解釈のもとに製作されたミュージカル・ストップモーション・アニメ映画。造形も内容もかなり斬新なので、お子さんたちはあまり喜ばないかも。大人たちからは高い評価を受けています。
本作は豪華声優陣でも注目を集めました。声の出演者はユアン・マクレガー、ロン・パールマン、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントンなどなど・・・。
『ほんとうのピノッキオ』(2019)
本家イタリアで制作されたファンタジー映画。補綴メイクを施した役者が演じているため、CGよりもリアルなキャラクターたちに仕上がっています。原作にかなり忠実なストーリーと独特の映像美で高評価を得ました。
『ピノキオ』(2022)
ディズニーが制作した実写版『ピノキオ』。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズで知られるロバート・ゼメキス監督作品。ゼペット爺さんをトム・ハンクスが演じています。ピノキオはフルCG。ブルー・フェアリー役で圧倒的歌唱力を見せるシンシア・エリヴォは、英国舞台版「天使にラブソングを」のデロリス・ヴァン・カルティエ役で知られるミュージカル俳優。
Lies of P(2023)
ピノキオをモチーフに制作されたダークファンタジーゲーム。人類の生活を支えていた自立マシーン「人形」が暴走したことにより地獄と化した街を舞台に、ゼペットによって造られた人形”P”が人類の敵を倒すべく奮闘するという設定。他に類を見ないイケメンのピノキオです。
『樫の木モック』(1972)
タツノコプロが制作したテレビアニメ。設定はピノキオとほぼ同じながら、ピノキオが精神的に成長してハッピーエンディングを迎えるまでの行程が度を越した困難さで、ファンタジーなのに”トラウマ級の作品”とも評されています。
『ピコリーノの冒険』(1976)
日本アニメーションが制作したテレビアニメ。ピノキオの一般的なストーリーを踏襲しつつも、動物キャラを増やしてファンタジー感を高めています。
おわりに
以上、『ピノキオ』をモチーフにした映画やドラマ、スピンオフ作品、二次創作作品の紹介でした。
数多くの関連作品が制作されている『ピノキオ』。原作小説「ピノッキオの冒険」の社会風刺が込められたストーリーやキャラクター設定を踏襲しているものが少ないという、なんとも不思議な状況が長く続きました。近年はディズニーアニメ『ピノキオ』によって浸透してしまった世界観から抜け出そうというムーブメントがあるのは明らか。今後も様々なアプローチが試みられそうで楽しみですね。