原作小説の『ピーターとウェンディ』やディズニー映画『ピーター・パン』などに描かれている冒険ストーリーは誰もが知るところですが、それ以外にピーターパンを中心とした世界を扱うスピンオフ作品や独自の解釈をしたオリジナルストーリー、二次創作などもたくさんあります。
原作に即したものも、そうとは言い難いものもあります。でも様々な作品が生み出されるのはピーターパンの世界観が多くの人に愛され、影響を与えている証拠だと言えます。
それらの作品のうちのいくつかを紹介しましょう。
目次
『フック』(1991)
大人になって昔の記憶を失ったピーターパンを主人公とする二次創作映画。なんとスティーヴン・スピルバーグ監督作品。ピーターパン役がロビン・ウィリアムズで、フック船長役がダスティン・ホフマン、ついでにティンカーベルをジュリア・ロバーツが演じるという、遊び心満載の配役。
ネバーランドの記憶を失って平凡な大人になった子持ちパパのピーターが、宿敵フック船長にさらわれた我が子たちを救うためにピーターパンとして再生するストーリーです。
『ピーター・パン2 ネバーランドの秘密』(2002)
『ピーター・パン』の続編として制作されたアニメ映画。原作小説の最後に記述のある、ウェンディーの娘 ジェーンの成長物語。10歳ながら現実主義でおとぎ話を信じないジェーンが、ネバーランドでのさまざまな体験を経て純真さを取り戻す、という展開になっています。フック船長の天敵として、ワニに替わり大ダコが登場。
『ティンカー・ベル』(2008)
ネバーランドにある妖精の谷「ピクシー・ホロウ」を舞台に、ティンカー・ベルの誕生・成長を描いたスピンオフ作品。この作品が大ヒットしたためシリーズ化され、第6作まで制作されました。
なお、2024年オープン予定のディズニーシー新エリア「ファンタジー・スプリングス」ではピクシー・ホロウも再現される予定です。
『PAN 〜ネバーランド、夢のはじまり〜』(2015)
少年ピーターが様々な経験を乗り越え、ネバーランドで”ピーターパン”となるまでを描いた二次創作映画。母親を探す孤児 ピーターと若きフック、そしてタイガー・リリーが力を合わせ、ネバーランドの最恐ヴィラン”黒ひげ”と闘う冒険ファンタジーです。黒ひげ役はヒュー・ジャックマン。
『ネバーランドから帰ったウェンディが気づいたこと』(2020)
ボカロPの”じょるじん”によるオリジナルの二次創作ストーリー。軽妙なVOCALOID楽曲にのって極めてダークムードのピーターパン後日譚が語られます。
原作とは明らかに異なる部分もありますが、逆に原作で語られていない闇の部分の新解釈が高い評価を受けており、ファンによる考察が飛び交うほどの人気コンテンツになっています。
2023年には続編にあたる『復讐を誓ったマイケルの成れの果て』が発表されました。
『ピーター・パン&ウェンディ』(2023)
原作をもとにした新解釈のディズニー版ピーターパン・ストーリー。近代映画らしい映像美と、ピーターパンとフック船長、ウェンディとタイガー・リリーの関わりをしっかり描いた新しいアプローチが評価を受けました。ウェンディを演じているのはミラ・ジョヴォヴィッチの実娘、エヴァー・アンダーソン。
まとめ
以上、新解釈や二次創作のピーターパン作品を紹介しました。
ピーター・パンの物語は原作小説そのものが100%子供向けに書かれたとも言えない内容なので、様々な解釈や深読みが可能な作品とも言えます。人それぞれの好みもあると思いますが、世界中を夢中にさせる魅力的なコンテンツだからこそ、千差万別の視点があって当たり前なのかもしれません。