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【あらすじ】あの有名な『ピノキオ』って、ホントはどんな話?意外と知らない原作のストーリーがこちら・・・

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ディズニーランドの人気アトラクション『ピノキオの冒険旅行』は、「嘘をつくと鼻が伸びる」ことで有名なピノキオを題材にしたものです。

ディズニーアニメに登場する「ピノキオ」は、世界中から愛されている愛らしいキャラクターです。でも、その原作となった『ピノッキオの冒険』を読んだことがある人は、果たして何人ぐらいいるのでしょうか。

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『ピノキオ』の原作とは?

イタリアの作家カルロ・コッローディが1881年に『子ども新聞』で連載を開始した『ピノッキオの冒険』が原作です。1883年には、エンリコ・マッツァンティによる挿し絵が入った児童書として出版されました。

『ピノッキオの冒険』は発表してすぐに評判になったわけではありません。作品が文学的に認められて世界中に広まったのは、コッローディが亡くなった後、20世紀になってからでした。

『ピノッキオの冒険』のあらすじ

原作『ピノッキオの冒険』の内容を簡単に紹介します。

ある日のこと。大工のチェリーはぐうぜん、言葉を話す丸太の棒を見つけます。斧を丸太めがけて振り下すと「痛い」と言うし、カンナを掛けると「くすぐったい」と笑います。

その丸太の棒は、人形の材料を求めてやってきたおもちゃ職人、ゼペット爺さんの手に渡ります。ジェペット爺さんはその丸太を使い、心を込めて、操り人形”ピノッキオ”を作りました。(”ピノッキオ”とはイタリア語で”松ぼっくり”という意味ですが、物語の中では、ゼペット爺さんの知る限りで最も成功した知人であるピノッキオ一家から取ったようです。)

こうして世に生を受けたピノッキオでしたが、その性質はあまり褒められたものではありませんでした。作ってもらっている間中も落ち着かず、手足が付いて歩き方を教わった途端、ジェペット爺さんのもとを逃げ出します。

探し回ったジェペット爺さんは、ようやくピノッキオを捕まえることができましたが、人形を虐待していると疑われて警官につかまり、牢屋に入れられてしまいます。

ピノッキオはと言うと、これ幸いと自由に怠けて暮らそうと考えます。そこへ”話をするコオロギ”が現れて忠告をしたりしますが、聞く耳を持たないピノッキオは木槌を投げつけて、コオロギを殺してしまいます。

ピノッキオは自分だけで自由気ままに暮らそうとしましたが思うようにいかず、困っていても助けてくれない世間の冷たさに打ちのめされます。しかも濡れた足を焚き火で乾かしていて、両足を燃やして無くしてしまいます。

困り切ったピノッキオ。そこへ、警察から釈放されたジェペット爺さんが帰ってきます。ピノッキオは新しい足をつけてくれたジェペット爺さんの温かみに触れ、心を入れ替えて真面目に勉強する決心をします。

学校へ通うには、ABCの教科書が必要でした。

「わしに任せておけ!」とジェペット爺さんは外へ出かけていき、寒空にシャツ一枚で帰ってきました。唯一の上着を売り、そのお金で教科書を買ってきたのです。

ジェペット爺さんに感謝して、学校へと向かうピノッキオに、最初に訪れた大きな試練。それは、賑やかな「人形芝居小屋」の誘惑でした。教科書を売れば、そのお金で芝居小屋のチケットが買える・・・なんて考えていたピノッキオでしたが、結局芝居小屋に引きずり込まれてひどい目にあってしまいます・・・。

ピノッキオは自分で動くことはできても頭は人形なので、騙されてばかりいます。良いことと悪いことの区別もつかないので、正しい判断というものが何なのか全然わかっていません。

いろいろとひどい目にあった挙句に、芝居小屋の人形たちの助けもあって、やっとのことで解放されたピノッキオ。芝居小屋で手に入れた5枚の金貨とともにジェペット爺さんのもとへ帰ろうとしますが、今度はきつねと猫に騙され、またまた苦難の道へと進んでいきます。

ジェペット爺さんはというと、行方知れずになったピノッキオを探すために旅に出て、ボートで海に出たまま消息を絶ってしまいます。

・・・・・。

その後もピノッキオは、失敗しては反省しての繰り返し。今度こそ心を入れ替えて学校へ通い、勉強に専念して成績を伸ばします。でもある日、仲の良い友達が「遊んで暮らせる国へ行くんだ」と言い出し、誘われて一緒に行ってしまいます。

その国は子供たちが遊んで過ごせる楽園でしたが、長い間いるとピノッキオの身体はだんだんとロバに変わっていってしまいました。

遊んで暮らせる国いうのは子どもたちをだます口実で、その実態は、怠け者の子どもを子ロバに変えて売り飛ばすのが狙いだったのです。

まんまとだまされて子ロバになってしまったピノッキオは、サーカスに売られますが、そこで足を痛めて使い物にならなくなり、ついに海へと放り出されてしまいます。

海で必至に泳いでいるうちに。魚に突っつかれて人形の姿に戻れたピノッキオ。でも今度は、巨大なサメに飲み込まれてしまいます。そして大ザメのおなかの中で出会ったのは、行方不明になっていたジェペット爺さんでした。

ジェペット爺さんを背負って大ザメのおなかから逃げ出したピノッキオは、同じくサメのおなかにいたマグロに助けられながら陸へとたどり着きました。それ以来、今度こそ心を入れ替えたピノッキオは、身体の弱ってしまったジェペット爺さんを労りながら、人助けをしたり、まじめに働いたりする日々を送ったのでした。

そしてある晩、夢の中に妖精が出てきます。

「あなたは本当にいい子になりましたね」と妖精はピノッキオを褒め称えます。そしてその翌朝目が覚めた時、ピノッキオの姿は・・・。

正しい行いとはどういうものか、頭でわかるというよりも経験で身につけたピノッキオは、そのご褒美として妖精から魔法をかけてもらいます。ピノッキオが学んだことは賢さや容量の良さではなくて、優しさや思いやりといった心の温かみなのでしょう。学校に行っていただけでは身につかなかったことかもしれません。

原作『ピノッキオの冒険』の内容は、ディズニー作品とは少々異なり、社会風刺を含み、子供向けには結構きつめと思われるような物語です。

ピノッキオは何度も失敗を繰り返す人間の子供そのものであり、そのたびに残酷とも思えるような仕打ちを受けます。「こども新聞」への連載ということもあり、教訓的な意味合いが濃かったのだと考えられています。しつけを兼ねていたのですね。

実は初回連載では、狐と猫にだまされて木に吊るされてナイフを刺されたピノッキオが死んで物語が終わってしまうという、現代では考えられないようなストーリー展開になっていました。これには読者の苦情が殺到。慌てて再連載し、ピノッキオを生き返らせて、現在の物語のような話の流れになったそうです。

死んでしまっては、元も子もありません。

『ピノッキオの冒険』は各国で手が加えられたり、残酷な描写が省略されたりしています。また翻訳者によっても解釈が異なったりで、物語の内容も様々なパターンがあります。それでも共通するテーマは「正しい心を持てば幸せになれる」ということ。変わることなく伝えられ続けるテーマです。

ディズニーアニメとしての『ピノキオ』

ディズニー作品として日本人によく知られている『ピノキオ』は、1940年にスクリーンデビューした愛すべきいたずらっ子です。今の時代にピノキオの顔かたちを問われれば、世界中のほとんどの人がディズニーのピノキオを思い浮かべることでしょう。

しかしながら風刺的な色合いが濃い原作をもとにして、子ども向けの作品として相応しい映像に仕上げるのに、ウォルト・ディズニーらスタッフは2年の歳月をかけたと言われています。ディズニーが苦労してつくりあげた姿が、現在のピノキオなのです。

原作ではあっさり死んでしまうコオロギも、ディズニー作品ではピノキオの良き相棒で彼の良心とされているジミニー・クリケットとして重要な役割を担っています。ちなみに劇中でジミニー・クリケットが歌う『星に願いを(When You Wish Upon a Star)』は、第13回アカデミー賞の歌曲賞を受賞し、現在も名曲として親しまれています。

原作と異なる設定は他にもたくさんありますが、サメではなくてクジラだったり、ネコやキツネ、人形劇団の親方等、主要な登場人物に名前が付いていたり・・・。ジェペット爺さんが飼っている猫や金魚にまで名前があります。

でも一番の違いは、ピノキオがピノッキオと比べて、見た目に愛らしいキャラクターだということでしょうか。ディズニーが映像化していなければ、ここまでの人気は出なかったかもしれません。

ディズニーランドのアトラクション

ディズニーランドには映画『ピノキオ』をモチーフにしたアトラクション『ピノキオの冒険旅行』があります。

建物の表には「Pinoccio’s Daring Journey」と書かれています。”Daring”は「大胆な」「向こう見ずな」といった意味があります。

映画の中でピノキオが初めて人形芝居のステージに立った際に共演した2体の操り人形の姿も見えます。

アトラクションでは、映画『ピノキオ』のストーリーに沿ってライドで進みながら、物語を疑似体験できます。

スタート直後から、ピノキオは早々にずる賢いならず者のJ・ワシントン・ファウルフェロー(キツネ)とギデオン(ネコ)に騙されます。

金儲けをたくらむストロンボリ親方や馬車屋もいます。悪役のオンパレードです。

プレジャーアイランドの「壊し放題の家」では、映画にも登場する”落書きされた「モナ・リザ」も見られます。

「喧嘩し放題の家」も・・・。

全体的に薄暗くて不気味な雰囲気なので、小さいお子さんにはちょっと(かなり?)怖いアトラクションかもしれません。ご配慮ください。

アトラクション周辺のワゴンショップやプロップスにも、映画にリンクしたこだわりが見られます。

映画に登場する人形芝居小屋の親方ストロンボリは、アトラクション前にあるワゴンショップ「ストロンボリズ・ワゴン」に名前が使われています。ちなみにこのワゴンショップは、よく見ると人形芝居用のステージワゴンの形をしています。

その横にあるドリンクショップ「クレオズ」の店名は、ジェペット爺さんの飼っている美しい金魚「クレオ」の名から。

ピノキオは他のアトラクションにも登場します。

「イッツ・ア・スモール・ワールド」に登場する人形たちの中に、ピノキオの人形を持った人形が一体あり、見つけると幸せになれるとか・・・。

※「イッツ・ア・スモール・ワールド」は2018年のリニューアルオープンのために、2017年現在は休止中です。リニューアル後のコンセプトの変更次第ではもう見られないかもしれません。

→2018年のリニューアル後にも、隠れピノキオは健在。ディズニーランド都市伝説はなおも継続中です。

その他の『ピノキオ』ネタ

・スピルバーグ監督のSF映画『未知との遭遇』では、主人公のロイ(リチャード・ドレイファス)が、「今週は映画を観に行く約束よ」と奥さんにせつかれ、新聞を見て「いい映画をやってる。『ピノキオ』を観に行こう。子供たちはまだ観てない」と提案。でも奥さんは「嫌よ」、息子は「子供向けのマンガなんか観たくない」と却下されます。

ちなみに『未知との遭遇』のエンドロールでは『星に願いを』が流れます。スピルバーグの『ピノキオ』へのオマージュだと言われています。

・スタンリー・キューブリック監督が自分で撮るつもりで構想を練っていた現代版「ピノキオ」の案を、スピルバーグ監督にメガホンを譲るかたちで完成した映画が『A.I.』だと言われています。

おわりに

世界中の子どもたちから愛されるピノキオ。

彼は「本当の人間の子どもになりたい」という強い願いを持ちながらも、誘惑に勝てなかったり騙されたりでなかなか思うように前へ進めません。

言ってみれば「ダメな子の見本」みたいなピノキオ。誰が読んでいても、彼が本物の人間になれるなんて思いもしません。それくらい騙され易いし、意志が弱いのです。

でもそのもどかしさや未熟さが見られるからこそ、誰もがピノキオに感情移入し、知らず知らずのうちに応援してしまいます。そして最後に望みがかなった瞬間に心から喜べるのでしょう。

子どもの頃にアトラクションに乗ってトラウマになった、というような人も、今なら大丈夫。もう一度体験してみてはいかがですか。

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