『ディズニー7つの法則 奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念』
この本はオーランドのディズニーワールドへ経営のノウハウを学ぶために訪れた5人の架空のグループが、ディズニー社のものの見方や考え方に触れることで、自分や職場に足りないものに気づくという、いわゆる”経営指南書”のようなものです。セミナー本とか経営書というと、ご都合主義やお固い本に思われがち。でもこの本の場合はディズニーワールドが舞台ですから、飽きずに読めてすんなりと頭に入ってきます。これもディズニーマジック?
トム・コネラン著『ディズニー7つの法則』は、ディズニーワールドがなぜ高い顧客満足度を維持し続け、ゲストの7割以上がリピートする大テーマパークとしての地位を保ち続けているのか、その理由がよ~くわかる本です。でも経営本である前に、読み物としてとても面白く、ディズニーファンなら一気に読んでしまうこと間違いなしの内容です。
自分の仕事に生かせる何かを探しに来た人から、職場の副社長に言われて渋々参加した人まで、いろいろな事情を持つ5人の男女がディズニーワールドのエントランスに集まりました。そこでみんなを出迎えたモートという男のガイドは、彼らにこう言います。
「ディズニーが成功した秘訣は7つあります。この3日間でそれを学んで下さい」
『レッスン1:顧客が比べるすべての企業が競争相手』から『レッスン7:誰もがキーパーソン』までの7つの秘訣を、5人はパーク内で働くキャストたちの姿や、モートから聞く話などを通して、一つひとつ気づかされ、自分の身に当てはめて考えさせられます。モートの話の中には有名な「サイン帳の話」や「お子様ランチの話」なども織り込まれ、読み手も彼らと一緒になって話に引き込まれ、一緒にディズニーワールドを巡っているような気持ちになります。
作者は数多くの現場キャストやディズニー社の役員、裏方さんに至るまで、関係者への綿密なインタビューを行い、またディズニーセミナーにも参加してこの本をまとめたそうです。作者曰く、「ディズニー社から書くように言われたわけではなく、また、ディズニー社から本書を認めるとも認めないとも言われてない」という、完全に作者目線で書いたディズニー経営学の教科書とも言える一冊。読んで損はないと言い切れる内容です。
上司から言われて渋々参加し、このセミナーに懐疑的な態度だった自動車部品メーカーの技術者のドンが、最後に何に気付き、どんな気持ちで帰ることになるのか。なかなか読まされる部分です。興味がある人はぜひ読んでみることをお勧めします。
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